クイズで学ぶ教育法規

CASE 13 主権者教育

教職教養の“鬼門”とも言われる教育法規。
空欄の丸数字に言葉を入れて、ストーリーを完成させてください。

 

樋口 修資(明星大学教育学部教授、東京学芸大学客員教授)

 

解答&解説

2015 年6 月、国会において、選挙権年齢をこれまでの20 歳以上から18 歳以上に引き下げる改正公職選挙法が成立。これにより、18 歳となる高校3年生には、選挙権が与えられることとなりました。この改正公職選挙法は、2016 年7月の参議院選挙から適用されています。

国民が主権者として国家社会の諸問題の解決に主体的かつ積極的に関わっていくため、学校教育においては政治的中立性を確保しつつ、「主権者教育」を推進していくことが求められています。学校教育では、教育基本法第14 条に定める「政治的教養の尊重」(第1項)および「党派的な政治教育の禁止」(第2項)の規定を踏まえ、学習指導要領に従い適切な指導が行われる必要があります。

答えは、① 18、②教育基本、となります。

押さえておきたいポイント

第1に、選挙権年齢を18 歳以上に引き下げる改正公職選挙法の施行に伴い、学校教育には、政治上の能動的地位における公民の育成を期して、次代の主権者となる児童生徒の政治的教養を高めるための「主権者教育」を一層推進していくことが求められています。一方、公教育において、教育の政治的中立性を確保することは重要な原理・原則であり、学校教育の全体を通じて、教育基本法第14 条に定める「政治教育」の趣旨・内容に従って運営されなければなりません。

第2に、教育基本法第14 条第1項は、「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」と定め、公民教育としての政治教育の重要性を明らかにしています。ここに言う「政治的教養」とは、①民主政治、政党、憲法、地方自治など現代民主政治上の各種制度についての知識、②現実の政治の理解力およびこれに対する公正な批判力、③民主国家の公民として必要な政治道徳および政治信念などがあるとされ、単に知識として身に付けることにとどまらず、国家社会の諸問題の解決に主体的に関わっていく意識や態度を涵養す
ることが求められています。こうした政治的教養を育むことが、主権者教育のねらいとなるものです。

第3に、教育基本法第14 条第2項は、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」と定め、学校教育が本来の目的を達成するためには、一党一派に偏った教育を行ってはならず、政治的中立を保つ必要があることを明らかにしています。したがって、学校における教育活動において、教員が政党の主張なり政策に言及するときは、一つの政党だけのものを教えるのではなく、各政党すべてのものを取り上げなくてはなりません。また教える際、教員はある政党を支持したり、または反対するような態度をとってはならず、公正で客観的に取り扱い、児童生徒の政治的批判力を培うようにしなければなりません。学校における主権者教育を推進するに当たっては、教育の政治的中立性の確保の重要性を踏まえ、教育課程に関する国の基準である学習指導要領に従って、適切に実施することが求められています。

第4に、学校は生徒の政治的活動について、教育目的達成の観点から、校則などの規則を定めて、必要かつ合理的な範囲内で生徒を規律することができます。学校内における生徒の政治的活動は、学校の政治的中立性の確保等の観点から、教育を円滑に実施する上での支障が生じないよう、これを制限したり、禁止することが必要です。また、学校外における政治的活動については、違法なもの、暴力的なもの、違法もしくは暴力的な政治的活動等になるおそれが高いものと認められる場合には、学校はこれを制限または禁止することが求められます。

 

【問題】空欄に適切な語句を記入しなさい。
1) 良識ある(①)として必要な(②)は、教育上尊重されなければならない。

2) 法律に定める学校は、(③)の政党を支持し、又はこれに反対するための(④)その他政治的活動をしてはならない。

【答え】①公民 ②政治的教養 ③特定 ④政治教育⇒1:教育基本法第14条第1項、2:同法同条第2項

 

関連する教育法規
■教育基本法第14 条
■文部科学省「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知)」(2015 年10 月)

 

Case14は

本誌『教員養成セミナー2017年3月号』をご覧ください!

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