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「特別支援教育」とは何か 基礎・基本を押さえる!

聞いたことはあるけど、どういう意味だかよく分からない…。そんな人のために、まずは「特別支援教育」の基礎・基本について解説していきます。

 

1 「特別支援教育」は、「特殊教育」と何がどう違うの?

「特別支援教育」という言葉が、初めて制度的に位置付けられたのは、2007年度のことです。それ以前、日本の障害児教育は「特殊教育」と呼ばれ、盲学校や聾学校、養護学校などの、いわゆる「特殊学校(特殊教育諸学校)」が設置されていました。これらの学校が、すべて「特別支援学校」という名称に改められ、小中学校などにある「特殊学級」も「特別支援学級」という名称に改められたのです。
これを単なる“言葉の置き換え”ととらえてはいけません。「特殊教育」が、障害のある児童生徒を主たる対象としていたのに対し、「特別支援教育」はそうした子供だけでなく、知的な遅れのない「発達障害」の子供も含め、より広い範囲を対象としているのです。
つまり、「特殊教育」が特殊学校や特殊学級で行われるものだったのに対し、「特別支援教育」は、すべての学校・すべての教室で行われるものだと言えます。教員採用試験において、すべての校種で出題されるのは、こうした背景があるからなのです。

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2 「特別支援教育」に転換が図られた理由は?

それでは、なぜ「特殊教育」から「特別支援教育」への転換が図られたのでしょうか。理由の一つとして、「発達障害」への対応が挙げられます。文部科学省の調査により、通常学級にも40人中2~3人は「特別な支援」を必要とする児童生徒が在籍していることが分かり、何らかの対応が必要となったからです。
また、特殊教育諸学校で対応していた児童生徒においても、重度障害や重複障害のある者が増えたことにより、盲・聾・養護学校などが単独で対応するのが難しくなってきたことも背景にあります。さらには、障害者の権利に関する条約の採択をはじめ、障害のある人とない人との「共生社会の形成」が、国際的な動きとしてあったことも見逃せません。

 

3 現状の制度的枠組みは、どのようになっているの?

現状、「特別支援教育」をめぐる制度的な枠組みは、以下の図のようになっています。
小・中・高校には、必要に応じて特別支援学級が置かれ、少人数体制での指導が行われます。また、通常学級においても、障害の程度に応じて週1~8時間、別の場で指導を受ける通級指導が行われます。一方の特別支援学校は、幼稚部・小学部・中学部・高等部に分かれていて、障害の程度が比較的重い子供を対象に、専門性の高い教育が行われます。また、地域内の小・中・高校などに助言・援助をするなど、特別支援教育を進めていく上で、センター的機能を果たします。
障害のある子供が、小学校に就学するのか、あるいは特別支援学校の小学部に就学するのかは、市町村教育委員会の就学先決定ガイダンスなどを経て決定します。判断材料となるのは、障害の状態、教育上必要な支援の内容、地域における教育体制の整備状況、本人・保護者の意見、専門家の意見などです。中でも本人・保護者の意見は最大限に尊重され、双方が合意形成をすることが原則とされています。

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【出典①】文部科学省「パンフレット特別支援教育」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/004.htm

【出典②】文部科学省「特別支援教育資料(平成27年度)」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1373341.htm

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