場面指導

CASE 39  進路指導の面接で…

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。

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ミニクイズ 苦労して勉強に励むこと意味することわざ、「(  )の功」。(  )に入る言葉、分かりますか?

 

中根 政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

 

設問の状況

全国の中学校卒業者の高校等への進学率(通信制課程を含む)が98.7%(平成28 年3月卒業生)となっている現在、高校教育は、ほぼ義務教育化しています。しかし、高校進学への意味が見いだせず、悩む生徒も少なくありません。保護者は「高校だけは行っておきなさい」などと話す傾向がありますが、これでは説得力がありません。また、高校等の中途退学者数も多く、大きな課題となっています。将来の職業への希望や目的、高校等へ進学する意義について、生徒に十分考えさせた上で、適切な進路選択をさせなければなりません。学習に意欲的に取り組めず、高校進学をためらう生徒に対し、将来の夢や希望の実現につながる進路指導をしようとしているか、教師としての指導力が問われる場面指導です。

 

 模範的な対応例

本事例のように、高校への進学意欲の低い生徒への対応のポイントは次の3点です。①本人の考えを十分に聞くと同時に、進路希望を自分で決めることの重要性を理解させること、②将来、希望する職業に就くためには、どのような努力が必要かを考えさせること、③生徒本人の進路希望がしっかりしたものであれば、本人の希望を優先させることの重要さを保護者に理解させること、です。

【問】中学3年生の進路希望に関わる二者面談で、男子生徒が「高校って、行かないとダメ? 勉強好きじゃないし、父さんの店を継ぐから」と話します。どう対応しますか?

【答】十分に本人の考えを聞きます。その上で、父親の店を継ぐためにも、高校等での学習が役に立つことを話します。

【問】本人が「どうせ、大学には行かないし」と話します。どうしますか?

【答】大学進学は高校で決めればよいこと、職業の選択は親が決定することではなく、自分が何をしたいかが大事であることを説明し、両親と進学や将来についてよく話をするように言います。

【問】「(親は)高校くらいは出とけって言うだろうけど…」と言います。どうしますか?

【答】高校等への進学は、最終的には自分の意思で決定するべきであること、その上で保護者が高校進学を望む理由も理解しなければならないことを話します。

【問】進路指導、キャリア教育で重要なことはどのようなことですか?

【答】小学校から体験活動を重視し、働く人の姿や話から学ぶ機会を多く持ち、望ましい職業観・勤労観を育成することだと考えます。

【問】目的意識が希薄な状況で高校等へ進学しても、中途退学することになったりしませんか?

【答】中途退学させない進路指導が必要だと考えます。面談の機会を十分に持ち、目的意識を持って進学できるようにしっかりと考えさせたいと思います。

【問】進路指導・キャリア教育で大切なことは何ですか?

【答】将来の職業希望や夢を自分の意思で決定させ、その実現のために努力させ、誇りと責任を持たせることです。

 

求められる教育的知見

文部科学省の「学校基本調査」(平成28 年度速報)によると、平成27 年度全国中学校卒業者の高校等進学率(平成28 年3月卒業)は、98.7%(専門学校等を含む)に上り、ほとんどの卒業生が進学していることになります。一方で、平成27 年度の高校等中途退学者数は、4万9,001 人に上り、中途退学率は1.5%となっています(文部科学省、平成27 年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査〈速報値〉」)。高校等では、インターンシップ制の導入やアクティブ・ラーニングへの転換を進めていますが、目的や目標のないまま高校等に進学していては、効果が望めません。義務教育ではないことを前提としながらも、全ての生徒に高校教育の重要性を理解させ、自己実現できるよう、教師として働きかけることが重要です。日々の学習指導と併せて、将来の生き方を見据えた進路指導を行う姿勢を、面接官に伝えましょう。

 

類似する質問例
○「将来の夢や希望が持てない」という生徒に、担任として、どう話しますか?

○「親が勝手に、進学先(高校)を決めようとしている」と生徒から相談がありました。どう対応しますか?

 

【クイズの答え】蛍雪

 

Case40は

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