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「生徒指導提要」の過去問から“要所”を読み解く!

計225ページにも及ぶ生徒指導提要。教採対策はどのように進めていけばよいのでしょうか。効率的な学習法の一つは、過去問を通じて、出題の“要所”を押さえること。どの章のどの部分がどのように問われるのか、過去2年の試験問題を取り上げながら解説していきます。

p011監修:三好 仁司(日本体育大学教授)
広島県公立中学校、広島県教育委員会、広島県警察本部、文部科学省等の勤務を経て、現在、日本体育大学教授、亜細亜大学非常勤講師。生徒指導調査官として「生徒指導提要」の編集にも携わった。

 

実施問題①(2016年夏実施/鹿児島県)

■次の文章は、「生徒指導提要」(平成22年3月 文部科学省)からの抜粋である。後の問に答えよ。

 生徒指導とは、一人一人の児童生徒の( ① )を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動のことです。すなわち、生徒指導は、すべての児童生徒のそれぞれの( ① )のよりよき発達を目指すとともに、学校生活がすべての児童生徒にとって有意義で興味深く、充実したものになることを目指しています。生徒指導は学校の教育目標を達成する上で重要な機能を果たすものであり、( ② )と並んで学校教育において重要な意義を持つものと言えます。
各学校においては、生徒指導が、教育課程の内外において一人一人の児童生徒の健全な成長を促し、児童生徒自ら現在及び将来における自己実現を図っていくための( ③ )の育成を目指すという生徒指導の積極的な意義を踏まえ、学校の教育活動全体を通じ、その一層の充実を図っていくことが必要です。

 

問1 ①、②に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、次のア〜カから一つ選び、記号で答えよ。

道徳心 道徳心 道徳心 人格 人格 人格
進路指導 学習指導 保健指導 進路指導 学習指導 保健指導

 

問2 ③に当てはまる語句として最も適当なものを、次のア〜オから一つ選び、記号で答えよ。
ア 危機管理能力  イ 情報活用能力  ウ 自己指導能力  エ 意志決定能力
オ 人間関係形成能力

 

解 答:問1─オ  問2─ウ

生徒指導提要 ここを参照!
第1章 生徒指導の意義と原理
 第1節 生徒指導の意義と課題
  1 生徒指導の意義

 

◆正答するために必要な理解◆

引用部分は、225ページに及ぶ生徒指導提要の冒頭部分で、最初の一文は生徒指導とは何か、その“定義”について述べています。いじめや不登校、児童虐待などもそうですが、教員採用試験では“定義”が問われることが多いだけに、いっそ丸暗記してしまってもよい一文と言えるでしょう。
問1ですが、空欄①には「道徳心」と「人格」のいずれかが入ることになります。教育基本法は、第1条で教育の目的を「人格の完成」とし、第2条で教育の目標の一つに「道徳心を培うこと」を挙げています。「生徒指導」と聞くと、問題行動への対処・予防などを思い浮かべる人がおり、それは生徒指導の重要な一面ですが、生徒指導の全体像は、児童生徒の人間的な成長という、より広い概念でとらえる必要があります。そう考えれば、①には「人格」が入ると分かります。
問1の空欄②には、「進路指導」「学習指導」「保健指導」のいずれかが入ることになります。生徒指導と並んで「学校教育において重要な意義を持つもの」が入るわけですから、「生徒指導」と同じくらい、広範囲のものでなければなりません。そう考えると「進路指導」や「保健指導」ではなく、「学習指導」であると分かります。
「学習指導」と「生徒指導」は、学校教育の機能(働き、役割)の主要なもので、「中学校・高等学校学習指導要領解説 総則編」でも「学校教育において、生徒指導は学習指導と並んで重要な意義をもつもの」と述べられています。
問2の空欄③に入る「自己指導能力」の育成は、生徒指導の目的として、ぜひ覚えておきたい言葉です。空欄③のすぐ後ろに、「生徒指導の積極的な意義」という言葉がありますが、これは問題行動への対処という“消極的”な側面だけでなく、児童生徒の主体的な営みにより、その人間性を育んでいくことの重要性を指摘しています。「自己指導能力」は、生徒指導の“積極的”な側面を支える基盤とも言えるでしょう。

このつづきは

 

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