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「生徒指導提要」の読み方・とらえ方を押さえる!

「生徒指導提要」の基礎・基本について理解した後は、もう一歩踏み込んで、その全体像を理解していきましょう。文部科学省初等中等教育局児童生徒課の山本悟氏に、制定の経緯、資料としての特徴、学校現場での活用方法などを語っていただきました。

DSC_0317 文部科学省初等中等教育局 児童生徒課専門官・生徒指導企画係長 山本 悟 氏

 

生徒指導の基本原理や心得をまとめた
“基本書”

──「生徒指導提要」は2010年に文部科学省から出されましたが、作成・公表に至る経緯を教えてください。

核家族化や都市化が進む中で、当時から学校には多くの役割が期待されるようになっていました。例えば、児童虐待やインターネットを介したトラブルなどにも、学校が積極的に関わっていくことが求められるようになってきたのです。そんな中、生徒指導のあり方も、以前とは異なる考え方や手法が求められるようになり、学校の先生や教育委員会の担当者が活用できる“基本書”を策定することになったのです。生徒指導については、さまざまな知見や手法が提唱・開発されていましたが、それらを一冊に集約したのが「生徒指導提要」なのです。

──作成は、どのような手順で進められたのでしょうか?

作成にあたっては、研究者や教育委員会関係者、学校管理職などの他、保護司など福祉分野の方々にも参集いただき、協力者会議を設けました。ここで、事例やデータ等も出しつつ、各々の知見を出していただき、全体的な方向性をまとめていきました。その方向性を基にしながら、各分野の専門家の方々に執筆をしていただき、内容の推敲を重ねながら、1 冊の本に集約していきました。他の文部科学省の答申や報告書等とは違い、「です・ます調」で、語りかけるような文体になっている点は特徴の一つと言えます。

──指針やガイドラインではなく“基本書”という位置付けになっていますが、現場ではどのように活用してほしいとお考えですか?

“基本書”ですので、法的な拘束力はありません。ただ、生徒指導を進めるにあたっての基本原理や心得、参考となる手法などが数多く盛り込まれているので、目を通しておくことで日々の指導に役立つことは多々あります。また、「喫煙、飲酒、薬物乱用」や「少年非行」などテーマ別の対応方法も書かれているので、困ったときに手引きとして活用することもできます。

──読んでみると、「チーム」での対応など、先見性のある記述も随所に見受けられます。

生徒指導上の問題に対しては、担任等が一人で抱え込んではいけません。児童生徒にどう対応するかは、管理職や生徒指導主任、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等、複数の教員でしっかりとアセスメントした上で決定する必要があります。その考え方は、「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)」(2015年12月)において提言された学校体制にも表れています。

──「組織として対応すること」は、教員採用試験ではよく問われるポイントです。

先生の中には、何か生徒指導上の問題が起きたときに、独力で解決できないことでマイナス評価されると思い込んでいる人がいます。でも、今は決してそういう時代ではありません。そうしたメッセージは、国とともに教育委員会、学校長がもっと積極的に発信していく必要があると思います。

p008_2生徒指導と教科指導を切り分けて考えないことが大切

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