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「生徒指導提要」の基礎・基本を知る!

そもそも「生徒指導提要」とはどのようなもので、全体の構成はどのようになっているのでしょうか。まずは、基本的な事柄について、解説していきます。

1 「生徒指導」という言葉をどうとらえる?

「生徒指導」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。中には、中学時代にいた、少し強面の生徒指導担当教諭、「持ち物検査」や「校則」などを思い出す人もいるでしょう。子供の問題行動にどう対処・指導するか。それが「生徒指導」だとイメージする人は多いと思います。
しかし、「生徒指導」をそのようにとらえていては不十分です。問題行動への対応だけにとどまらず、児童生徒の「社会的資質や行動力を高める」ことを目的として行われるもの、それが「生徒指導」なのです。
「学力」を高めるのが「学習指導」だとすれば、「人間性」を育むのが「生徒指導」だというとらえ方もできます。意外かもしれませんが、子供の道徳性を養うこと、いじめ・不登校への対応、発達障害への対応なども、「生徒指導」の一部なのです。
なお、「生徒指導」という名称は、全校種に共通するものです。小学校だからといって「児童指導」とは言わないので注意しましょう。

◆POINT!◆

○「生徒指導」=「問題行動への対応」ではない。子供の社会的資質や行動力を高める行為全般を指す。
○「生徒指導」という呼称は全校種共通。小学校だからといって「児童指導」とは言わない。

2 そもそも「生徒指導提要」って何?

「生徒指導」については、時代が変化し、子供の多様化が進む中で、対応に苦慮するケースが増えてきました。そうした情勢を踏まえ、「学校・教員向けの基本書」として、2010 年3月に策定されたのが「生徒指導提要」です。
文部科学省として示したものではありますが、学習指導要領とは違い、法的な拘束力があるわけではありません。「提要」とは「物事の要点を取り出して示すこと」という意味で、「要領」「指針」に比べれば、緩やかなものと言えるでしょう。
なお、「生徒指導提要」の全文は文部科学省のWebサイトに公開されています。また、市販もされており、さほど高くもないので、一冊購入して手元に置いておくのもよいでしょう。

p004A4判/254ページ 定価276円(税別)

◆POINT!◆

○「生徒指導提要」は、文部科学省が示す「学校・教員向けの基本書」。法的な拘束力があるわけではない。

3 「生徒指導提要」はどのくらい教採で出題される?

2010年に公表されて以来、「生徒指導提要」は毎年多くの自治体で出題されています。年度別の出題自治体数をまとめたのが右の表です。これを見ても、毎年多くの自治体が出題しているのが分かるでしょう。過去3年のうち、一度でも出題のあった自治体は、実に83%にも上ります。
教育法規や学習指導要領などと違い、法的拘束力を持たない資料から、なぜこれだけの出題があるのでしょうか。それは、「生徒指導」が「学習指導」と並んで、学校教育上の大きな課題ととらえられているからです。すなわち、教員となる人には、高い「授業力」だけでなく、「生徒指導力」も求められているのです。

p005

◆POINT!◆

○「生徒指導提要」を過去3年のうちに1回でも出題した自治体は、全体の83%に上る。

4 「生徒指導提要」の中身はどんな感じ?

「生徒指導提要」の総ページ数は、本文だけで225ページ。通して読むとなれば数日はかかるボリュームです。文章は「敬体(です・ます調)」で書かれていて、文部科学省の他の答申や報告書などに比べると、かみ砕いて分かりやすく書かれています。とはいえ、内容はそれなりに専門的で、すらすらと読めるようなものではありません。
全体は、8つの章で構成されています(P.006〜007参照)。理論的なことから入り、実践的な内容へと進んでいく構成は、一般的な専門書と同じです。最もボリュームが多いのは、「第6章 生徒指導の進め方」で、「Ⅰ 児童生徒全体への指導」と「Ⅱ 個別の課題を抱える児童生徒への指導」に分け、かなり実践的かつ具体的に、生徒指導の手法を解説しています。

DSC_0319 「です・ます調」の柔らかい文体で書かれている「生徒指導提要」

◆POINT!◆

○「生徒指導提要」は、本文だけで 225ページ。全部で8つの章で構成されている。

 

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