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教職大学院誌上オープンキャンパス 立命館大学大学院 教職研究科長に聞く!

正義と倫理観を持った
地球市民として活躍できる
教員を育成したい

p063春日井 敏之教授(立命館大学大学院 教職研究科長/2017年4月就任予定)

 

──教職大学院の設置に至る経緯を教えてください。

本学では、1955年に教職課程委員会を設置するなど、早くから教員養成に力を注いできた伝統と実績があります。毎年約300人もの学生が教員採用試験に合格し、すでに7,000人を超えるOB・OGが現職教員として全国各地で活躍しています。学部新卒院生に加えてこうした人たちが学びを深め、専門性を高める場を提供したいとの思いがあり、教職大学院を設置することにしました。私学単独での設置は、財政的に厳しい側面もありますが、国が「学び続ける教員像」を示す中で、本学でも教員の養成だけでなく、現職教員の研修にも関わっていく責務があると考えたわけです。また、公立学校教員の各種研修制度が整えられる中で、附属校を含めて、私学教員にも資質能力を高める場を提供したいとの思いもありました。

──「臨床教育」「教育方法・学習科学」「国際教育」の3コースについて教えてください。

これら3コースは一つの履修モデルであり、院生は興味関心があるコースを選択しつつ、周辺の領域も学んでいくことができます。「臨床教育」については、問題行動への集団的指導だけではなく、深い児童生徒理解に基づく“支援”ができる教員の育成を目指します。「生徒指導」等ではなく「臨床教育」というコース名を付けたのは、そうした思いがあるからです。
「教育方法・学習科学」については、高度な知識を“持つ”だけでなく、それを“伝える”力量を持った教員の育成を目指します。アクティブ・ラーニングを例に挙げれば、実践の手法を知るだけでなく、子どもたちの深い思考を引き出し、相互交流によって成長を促していける教員を育成していきたいと考えています。
「国際教育」については、グローバル人材の育成という点だけでなく、帰国生徒や外国籍児童生徒への対応という点でも、重要な課題です。教職大学院のコースとしては全国的にも珍しく、文部科学省からも注目されています。

──施設・設備の新しさ、キャンパスの立地の良さも魅力の一つです。

公立の連携協力校や附属校の中には、ICT機器をフル活用している所もありますので、学内には電子黒板などの教材をそろえています。また、施設面では「共同研究室」という部屋を設け、院生と教員が話し合えるブースを準備する予定です。この部屋は、院生と教員、あるいは院生同士が交流し、情報交換をし合ったり、模擬授業を見せ合ったりしながら、学びを深める場にしたいと考えています。これからの教員は、保護者や外部の専門家等、多様な人たちと“チーム”を組んで教育活動を進めていくことが求められており、その意味でも共同研究室を活用して、“チーム”の中で学ぶ経験を蓄積してほしいと考えています。

──こうした学習環境・カリキュラムを生かし、どのような教員を育成していきたいと考えていますか?

教職大学院の合言葉として、しばしば「理論と実践の往還」という言葉が使われます。理論と実践を行き来するだけではなく、大学内外における実践や体験を経験知に高め、修得してきた理論知と“融合”して現場で生かせる、そうした資質・力量を持った教員を育成していきたいと考えています。学部新卒の院生について言えば、いずれは各学校で“チーム学校”の要としてリーダー的な役割を果たせる人になってほしいですね。そのために、2年間の学びを通じ、多少のことでは揺らがない人間・教員としての“太い幹”を築いてほしいと思います。

──教職大学院としての目標を教えてください。

本学は建学の精神として「自由と清新」、教学理念として「平和と民主主義」を掲げています。また、2006年に策定した「立命館大学憲章」には、「確かな学力の上に、豊かな個性を花開かせ、正義と倫理をもった地球市民として活躍できる人間の育成」が示されています。教職大学院としても、このような教員を一人でも多く送り出したいとの思いを持っています。

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