場面指導

CASE 35 授業中,ぼんやりしている子が…

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。

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ミニクイズ  足し算の答えは「和」,割り算の答えは「商」,では掛け算の答えは?

 

中根 政美(共栄大学客員教授,元埼玉県公立小・中学校長)

 

設問の状況

学習の遅れがちな児童生徒は,どの学校にもどの学級にもいます。大切なのは,個に応じた学習や指導を心掛け,学習内容を理解させるよう取り組むこと。学級全ての児童生徒が「分かった」「できた」「もっと勉強したい」と思えるような授業が展開できるよう努力する姿勢です。設問は,教師の個別指導に「うん,分かった!」と答えながらも,実際は学習内容が理解できていない児童への対応です。理解できていないのに「分かった」と答えるのは,低学年の児童にはよくあることです。発達段階に応じた児童生徒理解をした上で,学習内容が理解できていない児童生徒をどう指導するか,教師としての姿勢と指導力が求められる場面指導です。

模範的な対応例

本事例のように,学習内容が実際には理解できていないにもかかわらず,「分かりました」「はい」と答える児童生徒への対応のポイントは次の3点です。①学習内容の理解の程度と状況を把握すること,②個に応じた指導の計画を立て,指導すること,③保護者と連
携し,学習習慣と学習内容の着実な定着を図ること,です。

【問】授業中の個別指導では,「分かった!」と答えていた児童の答案から,学習内容を実はまったく理解していなかったことが分かりました。どうしますか?

【答】どこにつまずきがあるのか,どこまでを理解しているのかを把握します。その上で,個別に指導していきたいと思います。

【問】どのように個別指導していくのですか?

【答】個別に指導する時間を確保し,「繰り返し指導」や簡単な問題から解かせていく「スモールステップ方式の学習」を行っていきます。また,本人が興味関心を持てるような教材も工夫していきたいと思います。

【問】「スモールステップ方式の学習」とは,どのような学習ですか?

【答】最初から高い目標を掲げるのではなく,難易度の低い問題から,徐々に難しい問題に取り組んでいく学習方法です。特に,基礎的内容を理解させることに力を入れていきたいと思います。

【問】その際,どのようなことに配慮しますか?

【答】基礎的で易しい問題でも,解けたときに十分褒めることが大切だと考えます。何より,本人に「やれば出来る」という自信を持たせたいと思います。

【問】個別指導の時間は,どのように確保しますか?

【答】まず,授業では,習熟度に応じて意欲的に取り組めるような教材や問題を準備します。理解の速い児童には発展的な課題を,理解のゆっくりとした児童には,易しい課題を与えるようにします。また,休み時間等を利用して個別指導の時間を持ちたいと思います。

【問】休み時間は,児童たちと遊んだ方がよいのではないですか?

【答】遊ぶ時間と個別指導の時間のバランスを取るようにします。また,理解の速い児童を「小先生」として,教え合う雰囲気を作りたいと思います。

【問】その他に,取り組むべきことはありますか?

【答】保護者の方と連絡を取り合い,児童の家庭での様子などを把握します。その上で,家庭学習の習慣確立にも連携して取り組んでまいります。

求められる教育的知見

学習の遅れがちな児童生徒に対して,「学習意欲がないから」「家庭が放任だから」などと,本人や保護者に責任を転嫁してはなりません。個別指導の時間を十分に確保するのは難しいものですが,教師には「個に応じた指導」や「繰り返し学習」「習熟度に応じた課題」などに積極的に取り組む姿勢が求められます。また,アクティブ・ラーニングを意識し,「学び合い」「教え合い」「育ち合い」の場面を多く取り入れるといった指導法の工夫も必要です。

さらに,LD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)などの発達障害のある児童生徒に対し,理解を深めることも必要です。保護者とも連携しながら,一人一人に確かな学力を身に付けさせていくという姿勢を面接官に伝えていくことが大切です。

 

類似する質問例

○ 板書をノートに書き写せず,じっとしている子供がいます。どう指導しますか?

○ 宿題をやってこない子供がいます。どう対応しますか?

 

【クイズの答え】積

 

201611cover Case36は、

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