場面指導

CASE 33 授業前に突然,保護者が…

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。

場面指導

 

ミニクイズ 慌てふためき,うろたえることを意味する四字熟語「周章○○」,書けますか?

 

中根 政美(共栄大学客員教授,元埼玉県公立小・中学校長)

 

 

設問の状況

学校内で保護者から急に話し掛けられることがあります。通常,相談などで保護者が来校する場合,事前に電話や生活ノートなどを通じて連絡があるのが一般的ですが,PTA 活動等で来校した折に, 「ついでに」というケースも少なくありません。また,緊急の報告や相談事がある場合もあります。教師にとって授業は最も重要な仕事であり,何より優先されなければなりません。保護者には,そのことを理解していただけるよう,日頃から伝えておく必要があります。授業開始が迫る中,相談を続ける保護者にどう対応するか,教師としての姿勢と対応力が求められる事例です。

模範的な対応例

保護者が急に教師を訪ねて来るということは,通常あまりありません。そうした場合は,虐待やDV 等からの避難というような緊急事態でない場合,相談内容を把握した上で,放課後や後日,十分な時間を確保して相談に応じることを伝え,授業を優先させます。本事例のような状況への対応のポイントは次の3点です。①手短に話を聞き,概略を把握すること,②授業を優先したいことを保護者にご理解いただくこと,③日頃から保護者との連携を十分に取っておくこと,です。

【問】昼休みの終了間際,突然,ある保護者に「急な相談があります」と話し掛けられました。どうしますか?

【答】間もなく授業が始まることを伝えた上で,概略を伺います。緊急の対応が必要な用件の場合は,そのまま対応しますが,そうでない場合には,放課後などにじっくりお話を伺いたいと伝えます。

【問】緊急に対応しなければならない用件とは,どのような用件が考えられますか?

【答】DV から緊急避難しなければならないケースなどが考えられます。

【問】放課後等に対応しようとする場合,どのように話し,それを受け入れていただきますか?

【答】お話をじっくりとお聞きしたいこと,授業を優先しなければならないことをお伝えします。

【問】保護者から,「少しでも早くと思って学校まで来たのに,相談に乗ってくれないのですか?」と言われました。どうしますか?

【答】場合によっては,学年主任の先生も一緒に,じっくりとお話を伺いたいこと,必ず時間を確保することをお伝えし,理解をお願いします。

【問】このような状況を防ぐためには,何が必要だと思いますか?

【答】日頃から保護者と連携を取り,相談したいことがある時は,事前にご連絡をいただければ,十分に時間を確保することを伝えておくことです。

【問】それだけですか?

【答】学校では授業を最優先にしていることを理解していただくことも大切だと思います。授業を大事にする姿勢を,日頃から子供や保護者に伝えておけば,こうした状況は防げるものと考えます。

【問】保護者対応の基本は何ですか?

【答】2点あります。1点目は,保護者のお話を聞く姿勢です。2点目は,日頃から児童生徒についての共通理解を深めておくことです。教師への信頼が十分にあれば,保護者も落ち着いて相談に来られると思います。

求められる教育的知見

保護者からの相談や依頼の内容はさまざまです。大切なのは,保護者からの要望や意見を「クレーム」や「モンスターペアレンツ」などと捉えてはならないということです。その一方で,理不尽な要望や意見に対しては,一人で抱え込むことなく,管理職等に相談することが重要です。また,学校は何よりも「授業」を大切にしているということを,保護者や地域に理解していただくことが重要です。そうした姿勢が十分に浸透していれば,事例のような場面は避けられるはずです。保護者や地域の方に冷静に対応し,その用件が緊急であるかどうかを判断する力があることを面接官に伝えていきましょう。

 

類似する質問例
○ 保護者から, 「すぐに子供を家に帰らせてほしい」と電話がありました。担任として,どう対応しますか?

○ 地域自治会の役員の方が「地域学習の打合せを今から行いたい」と来校しました。どう対応しますか?

 

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