場面指導

教員採用試験の場面指導 CASE27 体育館裏から生徒が……

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。

場面指導

 

【ミニクイズ】文部科学省が作成した、生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書、何だか分かりますか?

中根政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

 

設問の状況

未成年者の喫煙問題は、近年、減少してきてはいるものの、依然として生徒指導上の重要な課題となっています。未成年者の喫煙は、未成年者喫煙禁止法で禁止されているにもかかわらず、好奇心や友人の誘いなどにより何となく吸い始め、常習化してしまうケースがあります。喫煙が薬物乱用と同じく常習化するリスクがあること、成長過程にある未成年の喫煙が法律で禁止されていることなどについて、発達段階に応じて計画的に指導し、理解させることが重要です。学校の内外を問わず、児童生徒の喫煙に対し、毅然とした態度で向き合い、確かな指導が行えるかどうか、教師としての生徒指導力が問われる場面指導です。

 

 模範的な対応例

本事例は、喫煙している場面での指導ではなく、喫煙したと“思われる”状況での対応です。対応のポイントは次の3点です。①痕跡の残る喫煙場所を他の教師と共に正確に確認しようとしているか、②毅然とした態度で当該生徒たちに指導を行えるか、③薬物乱用防止教育と関連付けた禁煙教育を計画的に行えるか、です。

【問】体育館の近くですれ違ったクラスの男子生徒たちに、落ち着きのなさを感じました。どうしますか?

【答】生徒たちがいたと思われる場所を確認します。

【問】タバコの臭いがしました。どうしますか?

【答】周囲を確認し、喫煙の事実が見つかった場合は、他の教師を含めて状況を確認します。その上で、生徒たちから個別に話を聞き、喫煙の事実について確認を行います。そして、喫煙が成長段階にある自分自身の健康に害があること、法律で禁止されていることを説明します。また、学年、生徒指導部、管理職にも報告し、指導をいただきます。

【問】生徒たちが喫煙を認めない場合、どうしますか?

【答】健康被害の重大さや常習化のリスクなどを真剣に話し、粘り強く事実確認をします。

【問】生徒たちが喫煙を認めましたが、初めての喫煙だと言います。どうしますか?

【答】喫煙しようと思った理由などを、丁寧に聞き取ります。その上で、学校の内外を問わず、二度と喫煙を繰り返さないことを約束させます。

【問】未成年者の喫煙を防止するために重要なことは、どのようなことですか?

【答】発達段階に応じた禁煙教育を、具体的事例を基に計画的に行っていくことです。また、薬物乱用防止教育と並行する形で、生徒たちの心に響く指導を行っていくことです。特に、未成年者の喫煙が呼吸器疾患やがんの発症率を高めることが、医学的に証明されていることを理解させます。

【問】家庭への連絡はどのように行いますか?

【答】担任として事実を伝えます。その上で、本人が絶対に繰り返さないと約束したこと、家庭と連携して今後の生活を見てきたいことなどを伝えます。

 

 求められる教育的知見

未成年者の喫煙が禁止されていることは、児童生徒も知っています。それでも、好奇心などから喫煙してしまうケースは後を絶ちません。指導に際しては、「法律で禁止されているからダメ」だけではなく、喫煙に至る背景に友人関係や成績不振、家庭内トラブル、親・教師への反発など、さまざまな問題があることを踏まえておきましょう。それだけに、具体的な映像や事例を通じ、喫煙や薬物乱用の害を計画的に学ばせていく必要があります。確かな理解のためには、ディベートや調べ学習なども行い、児童生徒に主体的に学ばせていくことも大切です。

また、保護者の協力と理解も欠かせません。薬物乱用防止教室や保護者会等の場を活用し、保護者の理解を得るよう働き掛けます。面接試験では、こうした知見を念頭に置きながら、児童生徒の心身の健全な発達を願う教師としての姿勢を、はっきりと面接官に伝えていくことです。

 

類似する質問例

○ 生徒から「先生方もタバコを吸っているから、説得力がない」と言われました。どう対応しますか?

○ 保護者から「タバコは学校ではなく、家で吸うように約束させた」と言われました。どう対応しますか?

【クイズの答え】「生徒指導提要」

 

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Case28は、

本誌『教員養成セミナー2016年7月号』をご覧ください!

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