場面指導

教員採用試験の場面指導 CASE25 学級編制について保護者が・・・・・・

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。
場面指導

【ミニクイズ】「丁寧かつ積極的に相手の話に耳を傾け、よくうなずき、受け止めの言葉を発し、時にこちらから質問する。」このカウンセリング技法、何というか分かりますか?
解説=中根政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

 

設問の状況

保護者から「○○さんと別の学級にしてほしい」逆に「△△君と一緒の学級にしてほしい」といった要望を伝えられることがあります。そのような要望の大半は、新年度の前に出されます。人間関係や友人関係への教育的配慮から、そうした要望が考慮される場合もありますが、学級編制は担任一人で決められることではありません。児童生徒一人ひとりが個性を発揮し、相互に認め合い、豊かな人間関係を築き、成長し合えるよう、さまざまな点を考慮しながら編制されます。保護者の要望に十分耳を傾けつつ、児童生徒自身の成長という観点から、さまざまな措置を講じていくのが学校教育であるという意識を持たなくてはなりません。本事例のように、「家庭に問題があるようなので」などの理由を述べてきた場合は、その解決策を共に考えていくなどして、より良い学級を作っていく好機と捉えることが大切です。担任として、そうした対応がしっかりとできるかどうか、教師としての資質が問われる場面指導です。

 

模範的な対応例

本事例への対応のポイントは次の3点です。①保護者の要望をじっくりと聞き、その願いを把握できるか、②さまざまな人間関係の学びから望ましい学級が作られていくことを保護者に説明できるか、③望ましい学級経営への意欲と方策を持っているか、です。

【問】新学期早々、ある保護者から「○○君と別の学級にしてほしい」との要望がありました。どう対応しますか?

【答】保護者のお話をじっくりと聞き、なぜそうした要望をするのか、理由を把握します。いじめなど教育的配慮が必要なケースでなければ、これからの1年間、子供たちと心を通わせ、すばらしい学級を作っていきたいので、現在の学級編制を理解していただきたいと話します。

【問】保護者が、「○○君の家庭には問題があるようなので」と言ってきました。どうしますか?

【答】大事なのは○○君本人であることを伝え、しっかり成長していけるよう、これまで同様に相談に乗ったり、指導したりしていくことを話し、ご理解いただきます。その上で、保護者の方々にも、望ましい学級づくりのために協力していただきたいことを伝えます。

【問】このような要望が出るのは、なぜだと思いますか?

【答】日頃の学級の状況や人間関係を、保護者や家庭に伝え切れていないからだと思います。授業参観や学級懇談会、個別面談などを積極的に活用して、担任、学年、学校の方針などを、適切に伝えしていくようにしたいと思います。

【問】学年や管理職への報告は、どうしますか?

【答】保護者の方からそうした要望があったことを伝えた上で、担任として保護者との連携を深め、望ましい学級づくりに向けて努力することを伝えます。

【問】望ましい学級経営をするために、何が大切だと思いますか?

【答】何より、子供と教師との信頼関係だと思います。さまざまな問題があっても、子供同士がお互いを尊重し合い、認め合えるような学級を、担任が一緒になって作っていこうとしていることを、日頃から、子供たちに語っていきたいと思います。

 

求められる教育的知見

学級が正常に機能しない状況になると、いじめや不登校、深刻な事故や事件のリスクが高まります。それだけに、担任教師は、学校生活の基盤である学級経営に力を入れる必要があります。基本は、児童生徒と教師との信頼関係です。これができていれば、良好な関係性が保護者にも波及し、担任教師への信頼が深まります。一方、学級の様子が保護者に十分伝わっていない場合は、本事例のように憶測で学級の様子等を判断されたり、担任への要望が増えたりします。そうした観点からも、保護者との連携は非常に重要です。

保護者から寄せられる理不尽な要望の背景には、教師や学校に対して、相談したいことが他にある場合もあります。そのような可能性も考慮し、保護者の協力を得て、豊かな人間関係を基盤とした学級づくりに取り組んでいく姿勢を伝えたいものです。

 

類似する質問例
○ 保護者から「子供が学校に行きたくないと言っている」と電話がありました。どう対応しますか?

○ 保護者から「学級全体が授業に集中できていないらしい」と指摘がありました。どう対応しますか?

【クイズの答え】「傾聴」

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