教師の本棚

『石の卵』

P131

山田 英春=文・写真
2010年/福音館書店
667円+税

 

化石と鉱物が作る美しい世界

笹島 朋美(東京都東大和市立第七小学校教諭)

クラスで毎朝の読み聞かせを続けています。毎年のように紹介する“定番”の本もずいぶんと増えてきましたが、まだまだ私の知らない名作や魅力的な新作がたくさん出版されています。新たな出会いを求めて、本屋さんでは必ず児童書の棚を覗くようにしています。たくさんの本の中でどれを選ぶか迷うのですが、時に「連れて行って!」と本の方から呼びかけてくれることがあります。

この本との出会いは、八ヶ岳に出掛けた帰りに立ち寄った茅野の町の本屋さんでした。一番奥の棚に並べられていた表紙の「石の卵」の写真に大きな声で呼び止められ、思わず引き寄せられてしまったのです。

「石の卵」とは一見ただの丸い石ですが、中を割ってみると化石や鉱物が作り出す美しい模様が現れるのです。海底で長い年月をかけて生み出された「ドラゴンエッグ」と火山の噴火によってできた「サンダーエッグ」が紹介されています。灰色の卵を割ると現われる世界のなんと幻想的なこと!大自然に魔法をかけられたような「石の卵」にすっかり魅せられ、重たいザックに迷わずこの本を入れて帰ってきました。

翌日、教室でさっそく5年生の児童に紹介しました。写真を見せると驚きの声があちこちから上がり、ページをめくろうとすると「ちょっと待って!」の声。読み終わった後、教室に置いておくと、数人が群がって熱心に写真を眺めていました。「おばあちゃんの家は富山なんだぁ」といったつぶやきも聞こえてきます。(この石の卵、日本では富山県や石川県の川で採れるらしいのです。)世界中に「石の卵」ハンターがいるそうです。私のクラスからもいつか、石の卵をハンティングにいく子が現れると嬉しいなあ。

灰色の石の卵、感性を働かせて見ないと中の宝物に気が付きません。石の卵探しって、図書館や本屋さんでの魅力的な本探しと似たところがあるのではないでしょうか。

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