『教セミ』連載 | 教師の本棚

『知的好奇心』

『知的好奇心』

波多野 誼余夫・稲垣 佳世子=著
1973年/中公新書
¥720+税

 

 

子供の主体的な学びを引き出すために

丸山 匠勇(東京都板橋区立西台中学校教諭)

私は教師になった時から(実は中学生の頃から),どうしたら面白い授業が出来るだろうか,ということを考え続けてきました。自分が面白いと感じる工夫をあれこれやってみて,日々生徒の興味・関心を引くために努力してきました。その中で強く感じたのは「好奇心」を引き出すことが一番大切だということです。しかし,どうしたら生徒の好奇心を引き出すことができるのだろうかと,悩み・迷い続けていました。

そんな時に出会ったのが,この新書です。ここには,私が漠然としか捉えられていなかったことが,実に見事に整理されていました。私は驚喜しました。そうか,私がやってきたことはこういう形で理論付けされるのか,自分がやってきたことは間違っていなかったのだ…と,自信がつきました。また,具体的な記述も多く,そこから新しい授業を生み出すこともできました。

従来の「ムチとニンジン」ではなく,生徒の知的好奇心を刺激することで生徒の主体的な学習を促そう,そういう現在の“丸山スタイル”の基になったのは,この本との出会いでした。「第4章 知的好奇心と向上心」「第7章 知的好奇心を生かす授業」「第8章 学習者中心の教育」。私は今でも行き詰まった時など,時折本書を読み直しては新しい授業を作り続けています。

これから自分の授業を作っていく皆さんにとって,大きな示唆になる一冊だと思います。指導書に則って授業を組み立てていくことももちろん大切なことなのですが,生徒が喜び,楽しみながらも思考力を発揮し,一人一人が自分を磨いていけるような授業づくりも大切なことなのではないでしょうか。

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