場面指導

教員採用試験の場面指導 CASE13 近隣の住民から,突然電話が…

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。
場面指導

【ミニクイズ】 電話に出るのが遅くなった場合、どの対応するのがベストでしょう?

解説=中根政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

 

設問の状況

学校には、近隣の住民から苦情や要望が寄せられることがあります。特に、学校が住宅地にある場合、運動会などの教育活動が騒音として捉えられたり、登下校時の
マナーに対して指導を求められたりします。一方で、地域住民の見守りや交通指導への協力は、児童生徒の安全確保にとって大きな役割を果たしてくれています。地
域との連携を深めるためにも、学校への苦情や要望に対して、丁寧に対応することが求められます。この事例のような、地域住民からの電話も、苦情やクレームとして捉えるのではなく、学校への理解と協力を得る機会と捉えることが重要です。電話への適切な応対、上司への報告、具体的な対応策実行への姿勢など、教師としての資質と対応力が問われる場面指導です。

 

 模範的な対応例

まず、適切な電話応対を行いながら、苦情内容を具体的に把握します。教頭先生などの管理職や生徒指導主任に報告し、学校としての対応が取れるようにすることが必要です。ポイントは次の3点です。①日頃の感謝の言葉を伝えるなど、電話応対が適切に行えるか、②苦情内容を具体的に把握し、管理職や生徒指導主任に伝えようしているか、③学校全体での指導方針に基づいて、具体的に児童生徒への指導を行えるか、です。

【問】職員室に戻ると、電話が鳴り続けています。どうしますか?

【答】受話器を取り、お待たせしたことをお詫びします。

【問】近隣の住民から学校への苦情の電話でした。どうしますか?

【答】日頃、児童生徒がお世話なっていることへの感謝を伝えた上で、お話を伺います。メモを取り、できるだけ具体的に内容を把握します。

【問】子供たちの声を騒音と言い、登下校時のマナーの悪さなどを一方的に話し続けています。どうしますか?

【答】できれば、直接お話を伺いたいことを伝えます。また、管理職にも報告し、学校として指摘を受け止め、指導していくことを伝え、理解していただきます。

【問】電話を切った後、どうしますか?

【答】電話の内容をただちに管理職、生徒指導主任等に報告し、指示をいただきます。直接訪問し、お話を伺うことになった場合には、同行するようにします。

【問】児童生徒には、どのように指導しますか?

【答】近隣の方から、学校に苦情と要望があったことを、発達段階に応じて話します。その上で、安全確保やルールを守ることの重要性を考えさせるなど、学校全体での取り組みを、積極的に実行していきたいと思います。

【問】それで、十分ですか?

【答】学校全体の方針の下、登下校時に同行するなどして実態を把握し、適宜指導します。また、騒音対策など、学校で決めた内容を着実に指導していきます。

 

求められる教育的知見

学校には、地域の方、特に近隣住民からの苦情や要望がしばしば寄せられます。そうした場合は、冷静に受け止め、具体的に内容を把握します。その上で、管理職の指示を受け、児童生徒に指導していきます。

これからの学校は、地域との連携を重視し、地域の協力を得ながら、開かれた学校として連携していく必要があります。苦情や要望を寄せる地域住民をクレーマーと考えて対処するのではなく、学校への理解と協力を得られるようにしていくことが重要です。

なお、苦情や要望が理不尽で、学校の正常な教育活動に支障が出る場合は、教育委員会や警察に相談するなどの処置も必要になってきますが、その判断は管理職が行うものです。担任としては、学校の指導方針に従って、児童生徒に指導していきます。何より、日頃の一貫した指導が重要になってきます。

 

類似する質問例

○ 下校時、児童生徒がインターフォンを押して逃げるいたずらが相次いでいる」という電話が近隣の方からありました。どう対応しますか?

○ 運動会の練習中、「騒音がうるさく、病弱な家族が眠れない」という苦情の電話を受けました。どう対応しますか?

【クイズの答え】「お待たせいたしました。○○学校です」と、相手を待たせたことに対する気遣いの一言があると好印象です。

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CASE14は、本誌『教員養成セミナー2015年12月号』のP.112~113をご覧ください!

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