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解説 なぜ今,複数免許なのか

校種をまたいで複数の教員免許を取得するメリットは、どのようなところにあるのでしょうか。昨今の教育動向を踏まえながら、編集部が解説していきます。

 

その1 教員としての指導力&授業力を磨くことができる

教員を目指す人なら、「中1ギャップ」という言葉は、聞いたことがあるでしょう。小学校から中学校へ進学した途端、不登校などの問題行動が急増する現象のことです。背景には、中学校から始まる教科担任制や部活動、定期考査など、環境の変化に対する不適応が指摘されており、その段差(ギャップ)をいかに埋めるかが、学校教育上の大きな課題となっています。

2016 年4月に導入される「義務教育学校」は、そうした段差を埋める施策の一つですが、設置するか否かは市町村等の裁量によるため、当面は多くが現行制度(小学校・中学校)のままとなる見通しです。その意味でも、小学校と中学校の“円滑な接続”をどう作るかが重要となってきます。

そして、個々の教員にもそうした意識が求められます。小学校の教員は、児童が卒業した後の学びを考えながら授業・指導をしていく必要がありますし、中学校の教員は生徒が小学校で何をどう学んできたかを理解しておく必要があります。

そうした校種間の“つながり”を意識した教育をしていく上でも、校種をまたいで複数の免許を取得し、複眼的な知見を持っておくことは大きな意義があります。

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その2 教員になった後の選択肢が広がる

教員としてキャリアを積み上げる中で、「中学校で教えてみたい」との思いを持つ小学校教員がいれば、「小学校で教えてみたい」との思いを抱く中学校教員もいます。そうした希望を叶えるためには小中両免許を併有した上で、転任の申し出等を行うことになります。

校種をまたいでの転任は、自治体や採用区分等によっては難しい場合もあります。しかし、今後「義務教育学校」が増えれば、そこには小中両免許を併有する人が数多く配置されるに違いありません。そうなれば、転任とは異なる形で、思いを実現させることができる可能性があります。また、小学校第5・6 学年で実施されている外国語活動は、次期学習指導要領では教科化される見通しから、英語を指導できる教員が求められています。中・高の英語科教員が、小学校の免許を取得していれば、転任がしやすくなる可能性は高いでしょう。

こうして見ても、複数免許の併有が、教員としてのキャリアを歩む上で選択肢を広げてくれることが分かります。

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その3 採用等において有利になる可能性も!?

義務教育学校で指導する教員については、当面の間、小中どちらかの免許を持っていれば可能とされています。ただ、いずれは両免許の併有がルールとなる可能性が高く、今後、義務教育学校の数が増えていった場合は、小中の免許を併有する教員を確保することが各自治体の課題となってきます。その場合、教員採用試験の選考にも何らかの影響が出てくる可能性はあるでしょう。

教育職員免許法第3条第4項(2016 年4月施行)
義務教育学校の教員(中略)については、(中略)小学校の教員の免許状及び中学校の教員の免許状を有する者でなければならない。
教育職員免許法附則第20 項(2016 年4月施行)
小学校の教諭の免許状又は中学校の教諭の免許状を有する者は、当分の間、(中略)それぞれ義務教育学校の前期課程又は後期課程の主幹教諭(中略)、指導教諭、教諭又は講師となることができる。

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