場面指導

教員採用試験の場面指導 CASE11 体育の授業中,緊急事態が発生!

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。201511P110

【ミニクイズ】AED の日本語の正式名称、分かりますか?

解説=中根政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

設問の状況

体育の授業中の事故や負傷は、生命に関わることもあり、事前の事故防止や安全指導が極めて重要です。それでも事故が発生してしまった場合には、適切な状況判断と応急処置、他の児童生徒への指示など、機敏な対応が求められます。特に、児童生徒が意識を失っている状態では、心停止も疑い、AED の使用も含めた迅速な対応が必要になります。安全確保のための事前指導を十分に行おうとしているか、緊急事態の発生時の「危機管理マニュアル」に基づいた迅速な対応ができるか、状況把握や保護者への連絡、その後の容体の経過の把握等を適切に行おうとしているかなど、教師としての状況判断能力と対応力が問われる場面指導です。

模範的な対応例

意識がない状態という緊急性を受け止め、まずは応急処置をしながら、保健室の養護教諭を呼びに行かせるなど、適切な判断と指示が求められます。あわせて、他の児童生徒を落ち着かせることも求められます。対応のポイントは次の3点です。①倒れている児童生徒の意識・呼吸の有無、負傷の状況などを適切に把握し、危機管理マニュアルに基づいた必要な応急措置ができるか、②他の児童生徒を落ち着かせることができるか、③安全確保のための事前指導を十分に行おうとしているか、です。

【問】体育の授業で跳び箱をしているとき、児童の声に振り向くと、一人の児童がマットの上に倒れています。どうしますか?

【答】児童に駆け寄り、名前を呼びながら、呼吸の有無、意識の有無を確認します。意識がない場合には、心停止も疑い、児童に養護教諭を呼びに行かせ、「AED が必要であること」も伝えさせます。

【問】あなた自身は、どのように行動しますか?

【答】意識がなく、心停止も疑われる時には、心肺蘇生の応急処置を続けます。骨折等の場合には、動かさずに、養護教諭の到着を待ちます。

【問】児童たちが、不安で泣き出しました。どうしますか?

【答】「大丈夫だから」と言って安心させ、落ち着かせます。同時に、倒れるまでの様子を見ていた児童に話しを聞き、状況の把握に努めます。

【問】病院への緊急搬送が必要だと判断されました。どう対応しますか?

【答】管理職、養護教諭、救急隊員に、事故時の状況を伝えます。また、保護者にも連絡し、病院へ行くよう伝えます。

【問】その後は、どのように対応しますか?

【答】保護者に、事故発生時の状況、今後の事故防止策を説明し、理解していただきます。また、その後の経過について十分に連絡をとっていきます。

【問】こうした事故を未然に防止するために、どんな取り組みを行います?

【答】まず、安全確保のための十分な事前指導を行います。次に、健康観察をしっかりと行い、児童生徒の状況を把握します。また、児童生徒個々の運動能力を把握し、一人一人に合った指導方法を工夫し、事故防止を図ります。

求められる教育的知見

各学校では、負傷や体調不良時への対応はもとより、地震等の自然災害発生、火災発生、不審者侵入等の緊急事態を想定した「危機管理(対応)マニュアル」を作成し、AED の使用研修会も行っています。事故防止を前提としながらも、非常事態発生時に落ち着いて行動できるように、教職員の共通理解を図ることが目的です。その際、何より重視されるのは、児童生徒の生命であり、安全の確保です。場面指導においては、このことをしっかりと面接官に伝えます。

なお、学校管理下における負傷や疾病は、日本スポーツ振興センターの「災害共済給付金」の給付対象となります(平成26 年度の災害共済給付件数は210 万9,280件)。給付金申請手続きが漏れることのないように、保護者との連携も必要です。

類似する質問例

○ 持久走の練習中に、児童が突然倒れ、意識を失いました。どう対応しますか?
○ プールの授業中に、生徒が溺れ、意識も呼吸もありません。どう対応しますか?

【クイズの答え】自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator)。

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CASE12は、本誌『教員養成セミナー2015年11月号』のP.112~113をご覧ください!

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